緒形さんのご自宅の玄関に今でもずっと飾られている写真があります。滅多に自分の写真を飾らなかった緒形さんが「宝物」と大切にしていた一枚だったそうです。撮影したのは、フランス人カメラマン、ロベール・ドアノー氏でした。
ドアノーさんの写真展を訪れた際、とても感動した緒形さんが、いつか自身も撮ってもらえたら・・・と想い続けていたところ、そんな熱い気持ちが通じたのか、友人の協力もあり、フランス人以外は撮らないとされていたドアノー氏から、撮影してもらえることを聞き、緒形さんはパリへ飛びます。1993年の冬の事でした。
今回、エージェントを通じて、パリのアトリエ・ロベール・ドアノーに、作品の使用許可を申請しました。その際に、権利を管理する実の娘さんが、話してくださったのは、ドアノー氏と緒形さんの大切な思い出でした。パリの街中で、憧れの人にカメラを向けられていた緒形さんの姿がここには残されています。当時の緒形さんの心もちを想像すると、胸の奥の方が、ぎゅーっと温かくなります。
そんな大切な写真を、一旦、玄関から外していただき、ポスターとポストカードに、複製させていただきました。
使用紙: ヴァンヌーボVホワイト 四六Y目 130kg
51.5 x 72.8cm